不登校とオンラインの居場所:ゲームが「つながり」になるとき、親が見ておきたいこと
学校には行けない。でも、夜になるとヘッドセットの向こうで、友だちと笑っている。
「ゲームの中にしか友だちがいないなんて」と心配になるかもしれません。でも、少しだけ見方を変えてみてください。その子は、まだ誰かとつながっていたいと思っている、ということでもあります。
オンラインの居場所が持つ意味
学校に行けなくなった子どもにとって、オンラインのゲームやコミュニティは、次のような役割を持つことがあります。
- 顔を出さずに参加できる:人の目が気になる子でも、声だけ、文字だけなら話せることがあります。
- 同じ「好き」でつながれる:学年もクラスも関係なく、同じゲームが好きというだけで仲間になれます。
- 役割がある:チームの中で「作戦を考える人」「みんなを励ます人」になれる。学校では得にくかった「自分がいて役に立った」という感覚です。
- 家から出られなくても、社会と細い糸でつながっていられる:この糸が、いつか外に出るときの足がかりになることがあります。
文部科学省の調査では、2024年度に学校を30日以上休んだ小中学生は35万人を超え、過去最多になりました。学校以外の学びの場や居場所をどうつくるかは、今、社会全体の課題になっています。
安心できる居場所と、気をつけたい居場所
オンラインの居場所は、いいことばかりではありません。見分けるときは、次の点を見てください。
- 大人が見守っているか:運営している大人の顔が見えて、困ったときに相談できるか。
- ルールがあるか:悪口や煽り、個人情報のやりとりについて、決まりがあり、守られているか。
- 年齢が近いか:大人ばかりの場所に、子どもが一人で入っていないか。
- お金の話が出てこないか:課金や物の売り買いに誘われないか。
そして、家庭で次の約束をしておくと安心です。
- 本名、学校、住所、顔写真を出さない
- 知らない人と、個別のメッセージや写真のやりとりをしない
- ゲームで知り合った人と、会う約束をしない
- いやなこと、こわいことがあったら、すぐに親に話す(話しても怒らない、と親も約束する)
親ができる3つのこと
1. 「どんな場所?」と聞いてみる
「どんな人と遊んでるの?」「そこでは何をしてるの?」。取り調べではなく、興味として聞いてください。どんな居場所なのかを知ることが、見守りの第一歩です。
2. 一緒にのぞいてみる
お子さんがよければ、少しだけ隣でプレイを見せてもらったり、一緒に遊んでみたりしてください。ゲームの言葉が1つわかるだけで、会話がぐっと増えます。「共通の言葉」ができると、困ったときにも話してもらいやすくなります。
私自身、ゲームが大の苦手な父親でしたが、息子と一緒に親子のフォートナイト大会に出て、はじめて息子の「ゲームの中の顔」を知りました。作戦を立て、仲間に声をかけている姿は、学校では見たことのないものでした。
3. 「好き」を、少し外につなげる
オンラインの居場所に慣れてきたら、その「好き」を少しだけ外につなげる道もあります。同じゲームが好きな子が集まるイベント、大人が見守るオンラインの教室、配信や動画編集など、ゲームの周りにある活動。オンラインでつながった糸を、少しずつ太くしていくイメージです。
急がなくていい
いきなり学校に戻ることだけが、ゴールではありません。まずは、家の中に安心があって、画面の向こうにも仲間がいる。その状態から、一歩ずつです。
ヘッドセットの向こうから聞こえる笑い声は、その子がまだ、誰かと笑いたいと思っている証拠です。
とびらの向こうでは、顔出し・声出しなしで参加できるアリーナスクールと、生駒の商店街で開く参加無料の街じゅうアリーナを運営しています。ゲームとの向き合い方はこちらの記事にもまとめています。


