「また今日もゲームか…」
朝起きたら、すでにコントローラーを握っている。
昼も夜も、画面の光だけが部屋に漏れている。
「おい、いい加減にしろ」と言いかけて、また飲み込む。
そんな毎日を送っているお父さん、お母さんへ。
今日は、少しだけ「ゲーム」の見え方を変える話をさせてください。
信じられないかもしれないけど、最後まで読んでもらえたら、たぶん今夜の接し方が変わると思います。
「怠けてるだけ」と思っていたのに
不登校の子どもがゲームにのめり込む。
昼夜逆転する。
「ちょっと待って」が止まらない。
正直に言えば——それ、怠けてるわけじゃないんです。
臨床心理士の福本早穂さんは、不登校の子どもには
「渋滞期→葛藤期→安定期→始動期→活動期」という5つの回復段階があると16年以上の支援経験から述べています。そして「安定期」にあたる時期に起きるのが、まさにゲームへの没頭と昼夜逆転なんです。
怠けているのではなく、動き出す前の充電をしている。
学校という場所で消耗しきってしまったエネルギーを、「いまは安全だ」と感じられる場所で、少しずつ補充している。それがゲームの時間なんです。
「回復中の脳」って、どういうこと?
こういう話をすると必ず聞かれます。
「回復って何が回復するの?ゲームで何が充電されるの?」
答えは——「安心して存在できる感覚」です。
学校に行けない子どもたちは、たいていこんな気持ちを抱えています。
「自分は普通じゃない」「周りに迷惑をかけている」「どうして自分だけ」——。
そんな重さを、毎日24時間背負い続けているんです。
ゲームの中では、そういった「現実の自分」をいったん脇に置けます。ミッションをクリアすれば達成感がある。仲間と協力すれば繋がりを感じられる。うまくいかなくてもリセットできる。
その「小さな成功体験と安心感」が、すり減った自己肯定感を少しずつ補修していく。
これが「回復中の脳」の正体です。
不登校支援の当事者でもある公認心理師の増田さんはこう言っています。
「思い切り遊んで元気が溜まったことが良かった。突然登校できるようになるケースは現場でよく見ます」と。
でも正直に言います。昼夜逆転も暴言も、しんどいですよね
「回復のためだから見守りましょう」——そう言うのは簡単です。
でも実際は、深夜2時にゲームの音が聞こえてくる。
翌朝は当然起きられない。何か言えば「うるさい!」と怒鳴られる。
これを「回復過程だから」と割り切れる親が、いったい何人いるでしょうか。
正直に言います。しんどいのは当然です。親だって限界があります。
ただ、ここで知っておいてほしいことが一つあります。
ゲームを無理に取り上げても、不登校は解決しません。
むしろ、唯一の「安全地帯」を奪われることで、子どもはもっと深いところまで沈んでいくことがある。
これは多くの支援現場で一致している見解です。
「じゃあずっとゲームしてていいの?」という疑問へ
いいえ、そうは言っていません。
ここが大事なところです。
ゲームは「回復のための手段」であって、「回復そのもの」ではない。
充電が進んでいる子どもには、必ずこういうサインが現れてきます。
自分から話しかけてくることが増えた
「暇だな」「何かしたい」と言い始めた
ゲームじゃない話題に興味を持つようになった
表情が少し柔らかくなった
こうなったとき、初めて「次の一歩」を一緒に考えるタイミングが来ます。
そこまでは、安心して充電できる環境を守ることが、いちばんの近道です。
逆に言えば——そのサインが出てくるまでに、何ヶ月もかかることもあります。
そのしんどさを、一人で抱えないでほしいんです。
親が一人で抱えなくていい
不登校の支援で最もよく見る「失敗」は、親御さんが孤独に悩み続けることです。
「うちの子だけこんな感じ?」「私の育て方が悪かったの?」「あとどれくらいかかるの?」
そういう不安に向き合いながら、毎日子どものそばにいる。
それだけでもう、十分すぎるほどのことをされています。
ただ、専門的なサポートがあれば、もう少し楽になれます。
子どもの状態を正確に見極めて、今その子に何が必要かを一緒に考える伴走者が。
「とびらの向こう」のオンラインフリースクールでは、ゲームや遊びを「入口」として、子どもが安心して存在できる居場所をつくっています。
学習よりも先に、「ここにいていい」という感覚を育てることを大切にしているからです。
もし今、「うちの子もこんな感じかも」と思ったら、ぜひ一度話を聞かせてください。
ゲームをしている子どもを、少しだけ違う目で見てみてください
ゲームに没頭している子どもは、怠けているわけじゃない。
消耗しきった心に、少しずつエネルギーを補充しようとしている。
ゲームで解決するわけじゃない。でも、ゲームを奪うだけでも解決しない。
必要なのは「正しい禁止」より、「安心できる環境」と「信頼できる伴走者」です。
今日の夕方、ゲームをしている子どもの顔を、少しだけ違う目で見てみてください。
もしかしたら、回復している最中かもしれないから。
この記事はオンラインフリースクール「NOT ENOUGH」が、不登校支援の現場経験と複数の臨床心理士・公認心理師の見解をもとに作成しました。お子さんの状態によっては、専門医療機関への相談が必要な場合もあります。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
コラム
不登校ゲームばかりの子どもの正体は、"回復中の脳"でした
2026.03.08
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