はじまりの駄菓子屋eスポーツ。定員20名の店に、40人が集まった日
2026年4月18日、土曜日。
生駒駅南口の「まほうの駄菓子屋 南チロル堂」で、はじめての駄菓子屋eスポーツを開きました。いま商店街で続けている大会も、クラブも、オンラインのリーグも。ARENAのぜんぶは、この日から始まっています。

駄菓子屋に40名。狭くて、うるさくて、でも全員が笑っていた。
「駄菓子屋で、eスポーツ大会をやる」
そう伝えたとき、周囲の反応は一様に「え?」という困惑でした。しかし、当日ふたを開けてみれば、定員20名の枠に対し、集まったのは30名以上の子どもたち。保護者を含めると40名近い人々が、小さな駄菓子屋にひしめき合いました。
決して広くはない店内に、40名もの熱気が渦巻く。物理的には「狭い」「うるさい」状況です。しかし、そこには大人も子どもも、全員が同じ画面を見つめて笑っているという、現代では稀有な「地域の原風景」がありました。

「大会なんてあるの?」という現状を打破する、Switchでの挑戦
現在、eスポーツは急速に普及していますが、一般社会、特に子育て世代においては「フォートナイトで大会なんてあるの?」というのが偽らざる現状です。ゲームは依然として「勉強の敵」と捉えられ、その先に広がる競技シーンやコミュニティの存在は、あまり知られていません。
また、本格的なeスポーツには高価なゲーミングPCが必要という「機材格差」も大きな壁です。競技という高い壁を徹底的に低くするために、この大会では「いつものNintendo Switch」での参加にこだわりました。
使い慣れた自分のコントローラーで大会に出る。その一歩が、「ゲームばかりして」という溜息を、「もっと上手くなりたい」という競技者としての向上心へ変えていく。子どもたちが自分の「得意」で輝ける場を、まずは知ってもらうことが、僕たちの第一歩でした。
英語縛りルール:苦手というハードルを「遊び」が飛び越える瞬間
大会に「英語縛りルール」を入れたのは、単なる英会話レッスンのためではありません。「英語=難しい勉強」という高いハードルを、大好きな「ゲーム=得意なこと」が軽々と飛び越えていく瞬間を、親御さんに目撃してもらうためです。
最初は「英語なんてわからない」と尻込みしていた子どもたちが、勝利のために、仲間に伝えるために、必死に英単語を叫ぶ。「ゲームばかりして」という懸念を、「ゲームならこんなに頑張れるんだ」という驚きに変えること。「遊び」が「学び」になる実体験こそが、親たちの常識を塗り替える唯一の手段だと思っています。

トラブルすら「遊び」に変えた、コミュニティの底力
当日は想定以上の接続負荷で、通信トラブルやブレーカーの遮断が起き、進行が大きく遅れました。しかし、そこで起きたのは不満ではなく「共助」でした。
マッチングできない子がYouTube配信を手伝い、友だちを全力で応援する側にすぐに切り替わる。途中で帰った子はひとりもいません。最後には会場全体から「もう一回!」とアンコールの声が沸き起こりました。まほうの駄菓子屋という場所が持つ魔法と、ゲームが生んだ一体感があったからこそです。

あの日、わかったこと
当日は、生駒市議会議員の方にもご視察いただきました。
ゲームは、つながりの道具であり、笑顔の入口です。駄菓子屋に集まって40人が全員で笑っていたあの光景は、「ゲームは悪いもの」という言葉では説明できません。大人がその価値を知り、寄り添うことで、ゲームは最高の教材になります。
子どもたちの「好き」という引力が「世界とつながる学び」になる。そのことを、日本中の地域に広げていきたい。この日に決めたことは、いまも変わっていません。
そして、いま
この大会のあと、7月に南チロル堂で商店街カップを重ね、8月からはチロル堂本店で駄菓子屋eスポーツを続けています。東京工芸大学の中村研究室とつくる「じゃんけん鬼eスポーツ」、週1回のeスポーツクラブ、全国の中学生とつながるオンラインリーグ。ぜんぶ、この日の南チロル堂から生まれました。
活動を続けるために、一緒に開催してくれる仲間やスポンサーを募集しています。


