合同会社とびらの向こう
コラム

「ゲーム依存」が心配なあなたへ:責めない親の関わり方で「とびら」を開く

2026.08.23

eyecatch

「朝、何度声をかけても起きてくれない」「気づけば夜中にゲームの音が聞こえる」

お子さんがゲームやスマートフォンに没頭し、昼夜逆転の生活を送っているのを見るたびに、胸の奥がぎゅっと締め付けられるような不安を感じていませんか? このままでは「ゲーム依存」になってしまうのではないか、と心配するお気持ちは、決してあなただけのものではありません。多くのお父さん、お母さんが同じ悩みを抱え、検索エンジンで解決策を探していらっしゃいます。

「うちの子だけ、どうしてこんなことに…」と自分を責めてしまうこともあるかもしれません。しかし、お子さんの現状は、決してあなたの育て方や、お子さん自身の「怠け」や「わがまま」だけで片付けられるものではないのです。そこには、お子さんの心や身体が発している、大切なSOSが隠れている可能性もあります。

「合同会社とびらの向こう」では、焦る親御さんの気持ちに寄り添いながら、お子さんとの関係を「コントロール」ではなく「理解」へと導くサポートを大切にしています。この記事では、ゲーム依存 親の関わり方について、お子さんを責めずに信頼関係を築き、次の一歩を踏み出すための具体的なヒントをお伝えします。

「ゲーム依存」のサイン:もしかして、と気づく瞬間

お子さんのゲームへの熱中が、単なる「遊び」の域を超え、「依存」に近づいているかもしれないと感じる時、どのようなサインに注目すれば良いのでしょうか。世界保健機関(WHO)は「ゲーム障害」を精神疾患として位置づけており、その診断基準では「ゲームのプレイ時間の長さ」よりも「ゲームが日常生活に及ぼしている影響」が重視されます。

具体的には、次のような兆候が長期間(通常12ヶ月以上)見られる場合、注意が必要です。

  • ゲームの頻度、強度、時間、終了を自分でコントロールできない。
  • 食事、睡眠、入浴といったセルフケアや、学業、友人関係よりもゲームを優先する。
  • ゲームが原因で心身の不調(睡眠不足、視力低下など)や社会生活に問題(成績低下、無断欠席など)が生じているにもかかわらず、ゲームを続けてしまう。
  • ゲームができないとイライラしたり、怒りっぽくなったりする。
  • 以前楽しんでいた他の活動への興味を失ってしまう。

お子さんがこれらの兆候を複数示している場合、「ゲーム依存 親の関わり方」を見直す大切なタイミングかもしれません。ただし、これらはあくまで目安であり、自己判断せずに専門機関に相談することが重要です。

昼夜逆転は「SOSのサイン」:子どもの心の声に耳を傾ける

不登校のお子さんに多く見られる「昼夜逆転」の生活は、親御さんにとって非常に心配な状況でしょう。しかし、これは決して「だらしない」わけではなく、お子さんの心が助けを求めているサインであることがあります。

なぜ昼夜逆転が起こりやすいのでしょうか。そこにはいくつかの理由が考えられます。

  • 外部リズムの喪失:学校生活は、決まった時間に起き、活動するという強いリズムを与えてくれます。それがなくなると、体内時計が自然と後ろにずれやすくなります。
  • 心理的ストレスからの逃避:昼間は、学校に行けないことへの罪悪感や、周囲の視線、家族からのプレッシャーなど、お子さんにとってストレスに満ちた時間帯になりがちです。一方で、家族が寝静まった夜は、誰にも干渉されない「自分だけの自由で安全な時間」と感じられるため、夜型生活を選んでしまうことがあります。
  • デジタルデバイスの影響:ゲームやSNSは、不登校中の孤独感を癒やし、仲間とのつながりを感じられる大切な居場所になることがあります。しかし、画面から放たれるブルーライトは睡眠を促すホルモン(メラトニン)の分泌を抑制し、脳を覚醒させてしまいます。特にオンラインゲームなど「終わり」が見えにくい活動は、深夜まで続いてしまう一因です。
  • 思春期の体内時計の変化:思春期の子どもたちは、大人よりも概日リズム(体内時計)が約2時間遅い傾向があることも指摘されています。

昼夜逆転は、お子さんの心が緊張から自分を守ろうとするための行動と理解し、焦らずに寄り添うことが大切です。

焦らず、責めずに:親ができる「寄り添い」の関わり方

お子さんの「ゲーム依存」や「昼夜逆転」に直面したとき、親御さんがまずできることは、お子さんを責めるのではなく、その気持ちに寄り添い、信頼関係を築くことです。

「共感の耳」を傾ける

「どうしてゲームばかりしているの?」「いい加減にしなさい!」と頭ごなしに否定するのではなく、まずは落ち着いてお子さんの話を聞いてみましょう。お子さんがゲームに熱中する背景には、「学校でのストレスから逃れたい」「ゲームの中にしか居場所がない」といった複雑な気持ちがあるかもしれません。

「ゲームの世界では、どんなことができるの?」「何がそんなに楽しいの?」と、お子さんの興味に寄り添う姿勢を見せることで、心を開いてくれるきっかけになることもあります。ゲームについて少しでも知識があると、共通の話題として会話が生まれ、信頼関係の構築にもつながります。

「小さな変化の種」を見つける

「今日こそは早く寝かせよう」「ゲームをやめさせよう」と大きな変化を求めると、親子ともに疲弊してしまいます。まずは、お子さんの日常の中で、ごくわずかな変化の兆しを見つけて、肯定的に受け止めてみましょう。

例えば、「今日はいつもより10分早く起きたね」「ゲームの途中で飲み物を取りに来たんだね」といった、本当に小さなことでも構いません。「できたこと」に注目し、それを言葉にして伝えることで、お子さんの自己肯定感を育むことができます。

「朝の光の儀式」を始める

昼夜逆転を改善するための大切な一歩は、「朝」の習慣から作り出すことです。無理に起こそうとするのではなく、まずは午前中にカーテンを開け、部屋に光を取り入れることから始めてみましょう。

お子さんが起きてこなくても、親御さん自身が朝日を浴び、軽い朝食をとる姿を見せるだけでも良いのです。もしお子さんが起きてきたら、「おはよう」と優しく声をかけ、軽く食事を勧めてみましょう。バナナなど、手軽に食べられるものがおすすめです。 焦らず、毎日少しずつ「朝の光の儀式」を続けていくことで、お子さんの体内時計もゆっくりと動き出す可能性があります。

「穏やかな対話の時間」を持つ

ゲームのルールを決める際も、一方的に押し付けるのではなく、お子さんを交えた「家族会議」を提案してみましょう。

「どんなルールなら守れそう?」「困った時にどうすればいいか、一緒に考えてみない?」といった問いかけを通じて、お子さん自身が主体的に考え、決めるプロセスを大切にしてください。無理な制限は、かえって反発を招くことがあります。

一人で抱え込まずに:専門機関との連携を考える

お子さんの「ゲーム依存」や「昼夜逆転」の問題は、一人で抱え込むにはあまりにも大きな負担です。親御さんだけで解決しようとせず、外部の専門機関の力を借りることも視野に入れましょう。

  • 心療内科・精神科・児童精神科:ゲーム障害は精神疾患として認定されており、専門的な診断や治療が受けられます。発達障害など、他の精神疾患を合併しているケースも少なくありません。
  • 不登校支援施設・フリースクール:「合同会社とびらの向こう」のような不登校支援を行う団体や、eスポーツを入り口にしたフリースクールなど、お子さんの興味を活かしながら社会とのつながりを再構築できる場所もあります。
  • 精神保健福祉センター:依存症に関する相談窓口があり、地域の医療機関や支援団体に関する情報を提供してくれます。
  • 家族相談:お子さん自身が治療に前向きでない場合でも、家族が適切な対応を学ぶためのプログラムや相談を受け付けている機関もあります。

専門家は、お子さんの状況を客観的に評価し、適切なアドバイスやサポートを提供してくれます。早めに相談することで、問題の長期化を防ぎ、お子さんにとっても親御さんにとってもより良い未来へとつながるはずです。

コントロールではなく理解へ:急がなくていい、とそっと背中を押す

お子さんの「ゲーム依存」や「昼夜逆転」に悩む日々は、ゴールが見えず、途方に暮れることもあるでしょう。しかし、大切なのは「ゲームを完全にやめさせること」や「すぐに昼夜逆転を直すこと」だけではありません。

お子さんがなぜゲームに惹きつけられるのか、なぜ夜に活動したがるのか、その背景にある「子どもの気持ち」を理解しようと努めること。そして、焦らず、小さな変化を認め、一歩ずつ前に進むためのサポートを続けることが、親御さんにできる最も大切な関わり方です。

親御さん自身も「完璧な親」である必要はありません。子どもに寄り添うことは、決して甘やかしではありません。まずは、今日からできる「責めない関わり方」を試してみてください。その一歩が、お子さんの閉ざされた心の「とびら」を少しずつ開くきっかけとなり、やがて温かい光が差し込む未来へとつながっていくはずです。

出典

本記事は、以下の記事で扱われていたテーマを参考に、とびらの向こうの視点で独自に構成したものです。

ID学園高等学校, ほんわか心のクリニック, ライブドアニュース, RIOMH, キズキ共育塾, COCONOVA, すらら, 大石クリニック, CoCon, GamePress AI, NIJINアカデミー, 明光フリースクール, 東京大学, 教育新聞, 神奈川県立精神医療センター, 特定非営利活動法人ASK, 学研WILL学園, EcoNetworks, ReseEd, 東京都, 神奈川県ホームページ, 自己受容LIFE, キーデザイン, note, まなクロBASE, サイボウズ

よくある質問

Q. 子どもがゲームばかりで昼夜逆転しています。どうすればいいですか?

A. 無理にゲームを取り上げたり、昼夜逆転を急に直そうとするのは逆効果です。まずは、なぜお子さんがゲームに没頭し、夜型になるのか、その背景にある気持ちを理解しようと努めましょう。そして、朝の光を取り入れるなど、小さなステップで生活リズムを整える工夫を始めてみてください。専門機関への相談も有効です。

Q. ゲーム依存は「病気」なのでしょうか?

A. はい、世界保健機関(WHO)は2019年に「ゲーム障害」を精神疾患として認定しました。ゲームをする時間や頻度をコントロールできない、日常生活に支障が出ているにもかかわらずゲームを続ける、といった状態が長期間続く場合に診断されます。

Q. ゲームを取り上げたら、もっと反発してしまいました。

A. ゲームが唯一の居場所や心の拠り所になっている場合、無理な禁止は反発やさらなる引きこもりを招く可能性があります。お子さんの気持ちに寄り添い、ゲーム以外の楽しみや居場所を一緒に見つけること、そして話し合いを通じて、無理のないルールを共に作ることが大切です。

Q. 不登校でゲームばかりしている子どもの将来が不安です。

A. お子さんの将来への不安は当然のお気持ちです。しかし、不登校やゲームへの没頭は、お子さんの心が疲弊しているサインでもあります。焦らず、お子さんの自己肯定感を育み、興味を活かせる学びの場(例:eスポーツを入り口にしたフリースクール)や専門家のサポートを検討することで、新たな道が開けることもあります。

Q. いつまでこの状況が続くのか、親として不安です。

A. 状況の改善には時間がかかることもありますが、親御さん一人で抱え込まず、専門機関や支援団体に相談することが何よりも大切です。お子さんを理解し、小さな変化を認めながら、焦らず、見守る姿勢でサポートを続けていきましょう。適切な支援を得ることで、より良い方向へ進むことができます。

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