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子育て・ゲーム2026.10.01読了 約4分

サッカー部だった父が、フォートナイトで見つけた「サッカーと同じもの」

サッカー部だった父が、フォートナイトで見つけた「サッカーと同じもの」

「パパ、カバー遅い!」

息子に言われて、固まった。
その言葉、知っている。

学生時代、グラウンドで、僕が先輩に言われていた言葉だ。

連載「ゲームをしなかった父の、ゲーム入門」最終話。
ゲームをしなかった僕が、フォートナイトを続けてわかったことを書きます。

フォートナイトで勝つには、4つの力が要る

始める前、僕はこう思っていた。
ゲームなんて、指が速く動く若い子が勝つもの。
考えるより先に、手が動くもの。

ちがった。
フォートナイトで勝つには、少なくとも3つの力が要る。
そして、もうひとつ。

1. エイム:シュートと同じで、練習した分しか入らない

エイムは、狙って当てる力。
サッカーでいえば、シュートだ。

どんなにいい場所にいても、最後に当たらなければ意味がない。
そしてこれは、才能より練習量。
息子が毎日、練習用のマップで同じ動きを繰り返しているのを見て、思い出した。
放課後、ひとりでゴールに向かって蹴り続けていた、あのころの自分を。

2. 建築:守備と同じで、一瞬で「壁」をつくる

フォートナイトには、建築がある。
撃たれた瞬間に壁を立てて身を守る。階段で高い場所をとる。

サッカーでいえば、守備のブロックだ。
相手のシュートコースに体を入れて、壁をつくる。
考えてからでは遅い。体が覚えるまで、繰り返すしかない。

あの親子大会で、目の前に一瞬で建物が立ったのは、魔法じゃなかった。
何百回、何千回と練習した結果だった。

3. 立ち回り:ボールのないところで、勝負は決まる

いちばん驚いたのが、これだ。

どこに降りるか。どの道を通るか。いつ戦い、いつ逃げるか。
安全な場所は、どんどん小さくなっていく。その中で、どこに先回りするか。

サッカーには「オフ・ザ・ボール」という言葉がある。
ボールを持っていないときに、どこに動くか。
試合のほとんどの時間、選手はボールを持っていない。だから、そこで差がつく。

フォートナイトも、まったく同じだった。
撃ち合っている時間より、撃ち合う前の位置どりで、勝負の大半が決まる。

4. そして、いちばん大事だったのは「声」

3つの力をそろえても、チーム戦では勝てない。
最後に要るのが、コミュニケーションだ。

「右の建物、敵2人!」
「1人削った、詰めるよ!」
「回復するから、カバーして!」

短く、早く、正確に。
見えているものを、仲間に渡す。

サッカーでも、いちばん怒られたのは、下手なプレーじゃなかった。
声を出さないことだった。
「後ろ、来てるぞ!」「マーク、つけ!」
声がないチームは、うまい選手がいても崩れる。

そして冒頭の「パパ、カバー遅い!」。
息子は、ゲームの中で、チームスポーツのいちばん大事なことを、とっくに身につけていた。

eスポーツとサッカー、ちがうのはひとつだけ

こうして並べると、フォートナイトとサッカーは、驚くほど似ている。
練習が要る。戦略が要る。仲間と声をかけ合う。

ちがうのは、ひとつだけ。

サッカーの練習は、「練習」と呼ばれる。
ゲームの練習は、「またゲームばっかり」と呼ばれる。

もちろん、時間の使い方や生活とのバランスは大事だ。そこは、サッカーも同じ。
でも、子どもが本気で何かをうまくなろうとしているなら、
それを「遊び」とだけ呼ぶのは、ちょっともったいない。

奈良・生駒で、ゲームを「練習」する場所

この気づきから生まれたのが、アリーナスクールです。

フォートナイトを、サッカーや野球と同じ「スポーツ」として扱います。エイム・建築・編集の基礎を固め、仲間と作戦を立て、声をかけ合って勝ちにいく。終わったら「なぜなぜシート」で、なぜ勝てたのか、なぜ負けたのかを紙に書いてふりかえります。

マインクラフトの時間には、仲間と一緒に生駒の街をつくっています。

平日は家からオンラインで。家にあるSwitchがあれば参加でき、顔出しもいりません。学校に通っている子も、行きづらい子も、同じチームです。

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ゲームをしなかった僕が、ゲームから教わったこと

マイクラをこっそり始めた夜から、ここまで来た。

ゲームがいいのか、悪いのか。
正直、その答えは、まだ持っていない。
ただ、ひとつだけはっきりしていることがある。

やってみたら、息子のことが、前よりわかるようになった。

何に夢中で、何がくやしくて、誰と、どんな声をかけ合っているのか。
画面の外から「やめなさい」と言っていたころには、見えなかったものだ。

今日も、リビングから声が聞こえる。

「パパ、カバー!」

僕は、マウスを握り直して、息子のいる方へ走っていく。

連載を最初から読む方は 第1話:夜中のマインクラフト からどうぞ。

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